今回は冬山の達人である梅田正弘さんにお話をお聞きました。──山に興味を抱くようになったきっかけを教えてください。小学生のときに、秋田駒ヶ岳の噴火を生で見たことですかね。実害がなかったため近くまで見に行く人が多く、私もそのうちの一人でした。父親に頼み込んで車で連れて行ってもらったのですが、夜の闇に浮かび上がる真っ赤な火柱は、この世のものとは思えないくらい幻想的で、心が震えたことを覚えています。──本格的に登山を始めた時期は、いつですか。高校生のときです。もともと天気図を読んだり書いたりするのが好きで、登山部に助っ人で呼ばれたんです。今はネットで情報を入手できることもありますが、それまでは山の気象変化を予測するために、天気図の作成は登山には必須のスキルでした。助っ人と言えば聞こえはいいですが、いいように使われていた気もします(笑)──盛岡の山岳会に所属されているとお聞きしました。ええ。今年で設立85年を迎える〈盛岡山想会〉に入っています。社会人になって最初の就職先が、盛岡だったというのが一番の理由です。今思えばそこでの経験が、これまでずっと登山を続けて来られた力になった気がします。先輩たちから本当に多くのことを教えてもらいました。──山岳会に所属するメリットには、どんなものがありますか。それはもう、自分が望めば何でもタダで教えてもらえることですね。心構えから山登りの基礎、必要な道具にとっておきの場所まで。山岳会にはネットでは手に入らない、生きた情報があふれています。教えて!達人季節の秋田の遊び方 25Sea Club activitiesMountain Club activities[プロフィール]梅田正弘(うめたまさひろ)株式会社 佐藤庫組 一級建築設計事務所所長。1961年2月20日生まれ。北秋田市在住。写真は太平 山スキー場オーパスを起 点に開 催される「 A k i t a Trail Run Festival in まんたらめ」のコース上にて、実行委員会救護班として参加しているときの様子。(写真:株式会社フォトックス 菅野証)2013.5.4 五竜G5から望む鹿島槍 (写真 : 梅田正弘)
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